デジタルハウスで手に取って〜EOS 20Dお触り記〜

EOS 20D

http://cweb.canon.jp/01/index.html
20日に国内発表されたCanonデジタル一眼レフカメラ「EOS 20D」。これでもかというばかりに欠点を克服したスペックを見せつけられ、わずか1年半で過去の遺物となったEOS 10Dユーザーとしては嬉しくもあり哀しくもあった。EOS 20D Special siteを見ると、「8/20 CANON PLAZA S(品川)、デジタルハウス(銀座/新宿/梅田)にてEOS 20Dの展示を開始しました」とあり、かくなるうえは10Dからの買い替えも辞さぬ覚悟でとりあえず実機を見に行くことにした。
昼過ぎにデジタルハウスゼロワン梅田へ直行。手前のデジカメコーナーにはなく、奥の試写スペースに20Dはあり、KISS Dを肩に下げた男の人がすでに試用していた。入荷したのは1台のみとのことで数人の順番待ち。まだ試作機とのことでメモリカード蓋はシールで封印、念のため係りの人にデータの持ち帰りが可能かどうか聞いてみたけれどそれはできないとのこと。マニュアルの方は完成していたのでそれを読みながらのんびりと小一時間待つ。
造花の花言葉は まちクマびれた 地下に空いた穴
順番が来たので、 EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM付きの20Dを手に取り、持参した10Dと撮り比べつつしばしばしばし。10Dより一回り小さく100g軽くなったボディ、持った感覚はかなり違う。グリップもやや薄く小さくなった分、右手の小指が余る感覚にまずは違和感。カメラ左手側のメニューボタン群も変な掘り込みがついてなんだか押しにくい。電子ダイヤルも少しめり込んで形も変わり、やや回しにくくなったような。期待していた十字カーソルもコンパクトデジカメに付いているような小ささで、ボタン位置も自分の親指ではかなり無理しないと届かない位置にあり使いづらい。ニコンのD70あたりの十字カーソルの使い勝手に比べてかなり劣る。メニュー表示がキヤノンのコンパクトデジ風になっていて見慣れない。ニューレーザーマットマットからプレシジョンマットに変更されたファインダーのフォーカシングスクリーンは粒状感が高くなっていて、10Dまでのつるっとしたマットとは見た目がかなり違う。マニュアルでのピント合わせを試してみたけれど、使いやすいのかどうなのかいまいち判別がつかず。ポップアップ位置があまりに低くて情けなかった10Dから大幅に改善された内蔵ストロボは試すのを忘れてしまった。
ソフト的に面白いと思ったのが現像パラメーター設定にモノクロが追加されたこと。カラーフィルターも5種類用意されており、オマケにしてはなかなか本格的。
10Dからの変更点で一番気になったのはシャッター音。カツーンと甲高く自己主張強い音。dpreview.comのShutter Release Sound / Continuous driveにサンプルとして置いてあったEOS 20D〜Nikon D70〜EOS 10Dのシャッター音比較データを事前に聞いており、音量がかなり上がっていることは予備知識としてあったのだが、この違いは生で体験してみるべきだろう。1D系の音に近いような、10Dとは全く違う音である。ポートレートとかスポーツとかの場面では撮った気もして悪くない感じかもしれないが、静かなライブ会場とか厳粛なお祭りとかの場面ではますます使えなくなってしまった。耐久度は10Dの倍ぐらいに上がったらしいのでメリットも十分にあるが、音に関しては10Dでもウルサイと思っていたので、このシャッター音の変化は即時気絶予約購入を思いとどまるに足るどうしようもないマイナス一等星として脳内物欲全天周に燦然と輝いてくれた僕の希望の星。
とにかく買わずに済ませようと手に負えるマイナス部分をあら探ししてきたが、起動や書き込み速度の大幅な改善は旧来ユーザーにとって暴力的に魅惑度が高い。一枚撮っては拡大再生して確認とちまちま撮るむきには堪らない。そしてさらに壊滅的にノイズが少ないのも高感度重視派にとっては脳天を舐められたかように好感度アップ。ISO1600はおろかISO3200で最大拡大再生してもノイズのお星様は都会の夜空の如き皆無さでありますよ。正式版の高感度サンプルなんて旧来機ユーザーは怖くて見たくないぐらい。ISO3200まで躊躇なく使えそうなのはシビアな場面で大変に役立つだろう。個人的な使用パターンとして、どうしても一眼レフで挑みたい場面というのは暗くて静寂を要する場面が多いだけに、シャッター音のやかましさと高感度時&長時間露光時の圧倒的ノイズレス画質のアンビバレンツは非常に悩ましい。
加えて20Dの導入をワタクシに思いとどまらせやがったのはEF-S17-85mm F4-5.6 IS USMの存在である。こんなもんが使えるとなれば後々に発売の10-22mmと合わせて激しく欲しまるのは時間の問題。しかし、本体の買い替えに加えて10万近いレンズの購入は負担が大きい。恐るべきCanonの罠である。EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM、重くはないけど、28-135 ISより一回り大きいサイズ。思ったより大きいが、表面は最近のEFレンズにならった梨子地風な仕上げになっていて質感は良くなっている。画質面はまだなんともいえないが、Canonの1.6倍画角ユーザー待望のIS付き標準レンズとしては文句なし。標準レンズとしてはちょっとお高いけれど、20Dを買うならこのレンズとセットで買う価値がありそうである。
デジタルハウスゼロワン梅田:奥に20Dを試写する人が
混沌とした複雑な物欲煩悩を抱えたままゼロワンハウス梅田を後にして、梅田のソフマップに寄ってみたら、何故か叩き売りの中古E-10を手に取って帰ったワタクシ。だってだってずっと欲しかったんだもん傷物で3万円だったんだもんもん。漬け物石にも使えそうな中古金属塊を抱えたままヨドバシ梅田では宮古島へ行く飛行機の機内誌で見て一目惚れしていたミードの丸っこい顕微鏡を買ってしまい、日本橋ジョーシンでは2代目となる中古COOLPIX950を手に取って帰ったワタシ。中古ノスタルデジに逃げちゃダメだダメだと思いつつ、20Dに到達しなかったワタシの物欲はわけのわからぬ方向へ暴走。浅野真澄の『ノスタルジア』まで探す始末であったが前に見かけたディスクプラザでは売れていたりして、Meたんフィギュアを目当てに久々に足を踏み入れたとらのあな3Fではgoogle:夏の残り香でダメージを受けつつ、閉店間際のソフマップに至るまで日本橋を駆け巡った物欲満開の一日であった。物欲を仏欲とかけばありがたいテイスト。
横断する八本の足