ATR研究発表会2004

(ATR)国際電気通信基礎技術研究所

http://www.atr.jp/html/expo/index_j.html
何とか時間を作り、ダッシュで国際電気通信基礎技術研究所へ潜り込む。グランドフロアに下りたところで見た「声の個性とバイオメトリクス技術」という発表展示に釘付け。声による個人認証の研究なのだが、興味を持ったのは磁気共鳴画像法(MRI)でかたどった喉の形(声道形状)のモデルが展示してあったこと。
見た目だけでも面白い感じだけど、さらに驚いたのは音の方。スピーカーにこの声道モデルを載せるだけで合成的な音がかなり自然な人の声、そしてその声道のモデルとなった人の声に近い音が出るのであった。発声に重要な声帯に関しては適当な素材がなくて再現していないとのことだったが、声帯より上側の声道だけでも個人認証に使えるぐらいの固体差があるらしい。声道モデルはいわば研究用のサンプル、副産物的な位置づけだけど、その場で思ったのはこういうスピーカーが製品されればたいそう面白いのではないかということ。著名なボーカーリストの声道をかたどったバイオメトリクススピーカーが欲しい。それをいっぱい並べて合唱させたら明和電機みたいな感じではないですか!とか、そんな妄想がその日中ぐるぐる頭の中を回り続けた。




声道スピーカーの次に見たのが自由空間用電波暗室。無音響室というのをネットで見てうっとりしたことがあったけれど、これはその電波版という感じのもの。かなり大きくてちょっとしたコンサートホールぐらいの広さ。こうした施設は電気製品の開発には欠かせない代物だと思うけれど、実際に目にしたことはなかったのでこれまた大興奮。このトゲトゲ感がたまらない。



電波暗室
ロボット関係とか見たいと思っていた展示までは見ることができず、後ろ髪を三つ編みにされて引っ張られるぐらいの残留感を覚えつつATRを去った。ATRの研究は好みの内容が多そうだったので、次回はちゃんと時間をとってしっかり見学したい。