伝書鳩にカメラをつけて空中撮影 ↑

http://www.think-photo.net/satelliconproject/beforesatellicon2.html
1910年代にドイツで研究された写真鳩。手元にある『図説動物兵士全書』(ASIN:4562030771)を読んでみると、「第3章 伝書鳩、ノアの洪水から湾岸戦争まで」にこの写真鳩のことがもう少し詳しく書いてあった。この鳩カメラは1907年にユリウス・ノイブロナー教授が製作した「ドッペル=シュポルツ」というカメラ。3cm×8cmの湾曲したフィルムを使い、時速70kmで飛行する鳩から広いアングルでの撮影が可能。空気圧によるタイマー機能も付いていたとのこと。
紀元前より主に通信手段として戦争時に欠かせなかった鳩。第2次大戦はいうにおよばず、後のインドシナ戦争ベトナム戦争でも鳩は軍の正式な装備として従軍している。その後の通信手段の発達で各国の伝書鳩部隊は廃止されていったが、フランスでは1990年代に入っても伝書鳩部隊を維持している。
伝書鳩以外でも様々な鳩の軍事利用が考案されており、1940年のアメリカではミサイルの誘導に鳩を用いる実験が行われ、その有効性が認められている。その後の電子工学の発展により鳩誘導ミサイルは実用化されなかったが、逆に電子工学の発展がなければトマホークミサイルの先端には誘導装置の代わりに訓練された鳩が搭載されていたかもしれない。